2008年11月21日金曜日

2008.11.17 第62回経営者モーニングセミナー

先週に引き続き、100名モーニングセミナーの開催です。今回は100社116名のご参加をいただきました。皆様本当にありがとうございます。
本日の講話者は㈱加賀屋客室研修リーダー ほっと石川観光マイスター 岩間 慶子氏 立ち居振る舞いもキリリとした風情で、背筋をのばして拝聴しなければ、という気持ちになりました。

講話のテーマは「おもてなしの心 先代おかみに学んだこと」です。
青森の八戸出身で加賀屋に入社して40年。4代の女将に仕え、その中で先代に学んだ数々の出来事をお話していただきました。

女将は、夏の暑いときも冬の寒いときも、自ら玄関に立って何時間もお出迎えとお見送りをされます。そして終わった後で私達にも「寒かったやろ 暑かったやろ あんやと あんやと」とねぎらいの言葉をかけてくださる。そんな姿から「ありがとう」を身をもって教わりました。子育てをしながら仕事をしていた時期、睡眠時間が3時間くらいの頃もあったけれど、女将の「あんやと」の一言につかれもなにもスーっとなくなる心地がしました。
また、身だしなみは、お客様に対して眼に入る一番のサービスと思います。例年学校を卒業して入社してくる従業員に対しても髪をまとめさせたり、要はいいものを身につけるというより、清潔感を身につけることが大事だとお伝えしています。
そして、誇りを持って働くことが大切です。私は自分が経営者と思い、その日担当のお部屋が自分のオフィスだと思うことにしています。そうすると細かいことに気がついたりできる。テナントの敷金礼金もいらず、お客様には「ありがとう」といわれ、こんないい経営者はないです。
どんな仕事でも一生懸命やって、好きになることが大切です。今も、私は体調が悪くてもお仕事に出ます。そして周りにはお客様が私の風邪薬なんです、と言っています。

当館にはマニュアルがあって新しく入る人には1から教えるけれども、最近の子には0から教えなきゃいけない。マニュアルにないプラスαはその人の感性もあります。マニュアルでないプラスαをお客様に提供してきたからこそ、加賀屋は日本一になったのではないかと思います。
アンテナをたててお客様のお話を聞き、さりげなく行動してさしあげる。たとえば、お誕生日にプレゼントをお持ちしたり、蔭膳をお持ちするとたいそう喜ばれます。お洋服がほころびていたらソーイングセットをその方にさりげなくお渡ししたり、そういうさりげないサービスをされるのがいいのかな、と思います。

「できません 知りません ありません」は決して言わない。ないものでもなるべく近いものを探してくる。そういうことをすることで、たとえなくても、「ありがとう」とお客様に感謝されることになります。
やはり、サービスは商品で、無料ではありません。基本は簡単そうで難しい。サービスは人を幸せにするお手伝いと思う。最近はパチンコ店やスーパーなど、いろいろなところから講演依頼がきますが、おもてなしの心をお伝えすることを第一にやってきています。

最後に「お客さま」という詩を朗読されて講話を終えられました。とてもわかりやすいお話で引き込まれました。
どんな仕事も最終的には、人に喜ばれることが大切です。実践の中でそれを何年もされてきた方のお話をお聞きできて、本当に明日からの生き方が変わる心地がしました。

by梅原智恵子